日本を破壊する種子法廃止とグローバリズム

いつも正確な統計分析と、そこから導き出される冷厳な真実によって感傷を排した事実を炙り出してきた三橋貴明氏の新刊ですが、今回は冷徹な論理能力はそのままに未曾有の厄災を引き起こすであろう「種子法廃止」とその背景である「狂気のグローバリズム」を歴史を遡（さかのぼ）って解き明かす事で、戦国時代より外国の残酷さから日本を守ってきた武士の、日本男児たちの生き様を記した攘夷（じょうい）の優れた通史となっています。淡々、克明に外国の残酷さを解き明かし、悲観論や大上段からの「日本人は駄目だ論」に絡め取られないで外国の悪意と対峙する三橋貴明氏を見ていると現代日本は、結局「本物」の時代なのでしょう。自分で思考して有効な方法論を編み出し、國を、ひいては家族や大切な人を守り、信念と信頼は決して売り渡さない。そんな芯のある本当の日本人が、「農業問題の専門家でござい、兵学者でござい」と単に看板に寄り掛かっただけの、小銭でいかようにも言葉を曲げる偽物の専門家を否応なく駆逐してゆく新しき世代の時代、もしかしたら日本の永い黄金時代の幕開けなのかもしれません。侍やグインサーガの美貌の天才謀略家、アルド・ナリス（初期の方・・・）が日本人のために歴史の教科書を書くとしたら、こういう内容になったでしょう。これからは自分で思考して、どこまでも能力を伸ばしてゆく本物と、そうでない人との差が歴然と別れてゆく「本物の時代」なので、本書は特に中高生に読んでほしいです。苦悩しながらも、自分の國を良くして行こうとする人の、謙虚で飽く事なき工夫と研鑽を積み上げてゆく雄々しい勇姿に比べれば、単に「長い物に巻かれて」内弁慶な八つ当たりを繰り返す弱々しい「自称、現実主義者」の生き様がいかにしょうもないか、すぐに理解できますから。