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知っていそうで知らないフランス (平凡社新書)

, 安達功

によって 安達功
3.8 5つ星のうち 5 人の読者
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著者が時事通信の政治記者だった方のようで、その方面について詳しかった。ラテン系の国で個性を尊重するイメージだったが、イメージとはかけ離れたフランスが紹介されていた。中でも、私が最も興味深く読んだのは、第2話「エリートとグランゼコール」である。フランスではエリートと庶民が明白に分かれており、どの地域で小学校に入るか、で大学、グランゼコール(フランス独特の高等専門教育機関)に行けるかどうかがほぼ決まるという。例えばパリなら郊外や下町はチャンスは少なく、中心部の方がチャンスが格段に多い、つまり庶民には大学進学のチャンス自体が元々少ないということである。更に職業高校へ行ったら、大学へ入学するチャンスは全く無い。人生の全てが出身家庭や進んだ高校で決まるとしたら…その後伸びるかも知れない人にチャンスが与えられないとしたら…なんと大きな損失だろう。反対に大学に入ってから、職人の道へ進もうと思っても、それも許されないという。幸い「留学」という手段があるから、道は残されていると言えなくはない。少なくとも、日本と比べてフランス社会に敗者復活の機会が少ないことは明らかである。フランスのエリート社会についての話は折に触れて聞いていたが、ここまでの「単線構造」の社会だったとは!正直驚いた。

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